走るナースプラクティショナー

診断も治療もできる資格を持ち、カナダAB州で薬物依存、メンタルヘルス、ホームレス、貧困層の方の診療をしています。

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ライム病と彼女 その4

ハーブで治療しても彼女の症状は良くならなかった。そして彼女は15人以上の医師を訪ねるようになった。それは救急室も含む。どこへ行ってもライム病はないと言われ、追い返される。 不定愁訴として扱われた彼女。 かかりつけの医療者がいなかった彼女は、あ…

ライム病と彼女 その3

大学で学士も取得している彼女。薬物使用歴などない。きちんとした仕事につき働いていた。交通事故に遭ったのがライム病によって調子が悪くなる前のこと。交通事故はさほど重度ではなく、むち打ちだけだったがその後の頭痛や体調の悪さから彼女は頭を打った…

ライム病と彼女 その2

昨日の続き。 2年近くも無職でホテル暮らしなんて普通ではない。彼女はライム病の事に集中しているが、私はそれよりも彼女の精神状態が気になる。 問診を続けると、何故そんなにライム病とは全く関係ない事を聞くの?と怪訝された。私は病気のことだけではな…

ライム病と彼女

アウトリーチのバンに身なりも顔立ちも良い母娘がやってきた。ホームレスのアウトリーチ ワーカーのスタッフに勧められてきた模様。 娘はライム病があるのに誰も信じてくれない。あなたは私のライム病を治療してくれる?と目線も合わせず言う。彼女は無表情…

性転換のケアが出来るように

昨夜は8:30まで医師会主催の勉強会。いつものごとくゴルフクラブのレストランで。 で、内容は またまた性転換について。今回は医師とカウンセラーと教育者。そのうち一人が男性から女性に変わった人。前回のごとく言われるまで気づきませんでした。 治療を開…

終わり良ければ全て良し

あれから2週間。入院先の病棟で家族会議が開かれました。 参加者は患者と夫、ケアマネ、サポートワーカー、病棟の作業療法士、学生、精神科医、私、そして通訳さん。 母国語で事情をしっかり理解してもらい、これからの治療計画を理解してもらうことが目的。…

20歳のおめでとう

先週は長男の20歳の誕生日だった。久しぶりに5人揃って食事。 シェフとして働いている彼。大きくなったもんだ。小さい頃から色々あって、、、こんなことやら、、将来はどうなるかと気をもんだものだが、今はゆっくり大人の階段を登て行っている。少しずつで…

責任の比率

誰かがツイッターに医師はドラッグディーラー(薬物を売る人)になった!って書いていたな。以前にも書きましたが麻薬の依存は違法薬物からだけではない。怪我や術後の麻薬の処方から依存になるケースもあるのだ。そういう意味で医師により麻薬と出会い、依存…

悲しいニュース

先日シリーズで産後の鬱に関して書きました。 先週、10月末から行方不明だった女性の遺体が発見されました。彼女の車はスタンレーパークで発見されていて、遺体は先週ハウサウンドにある島の近くで見つかりました。他殺の可能性は全く否定されました。 生後2…

パイオニア

私がケアを提供している対象者はメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層。何故そう言う人を対象にしているのか?わざわざ、、、と言われる時がある。 NPがBC州で登録されるようになったのは2005年だから、NPと言う職業がこの州に生まれてまだ11年目。…

途方にくれる

なんてこったい! どうしたら良いんだろう、、、、l かなり昔にひどい事故のためには度重なる手術、そして子供の頃の虐待を受けた背景からか麻薬とベンゾ系薬の依存と化した彼。長い時間をかけて減量し、昨年の2月の抜け出したと思っていた。 しかし、最近様…

お互いを支え合い

私が勤めている団体は州で一番大きなところ。NPの数も一番。NPのデパートメント (管轄、部署と言いましょうか?所属は違うけれど質向上と維持のための組織)もあり医師と並ぶためにはそれなりの事をこなしていかなければならず、ピュアレビューもその1つ。 …

デキルデキル

うげー、年の瀬がヒタヒタとやってくるのをヒシヒシと感じる今日この頃。 だって超忙しいのです。 メンタル的に強くなったのか、週末にカルテ書きなどをしなくなりました。勤務時間内でできる事をする、と心に決めてそれが揺るがなくなったからです。 それは…

雑誌の記事

青海社から出版されている緩和ケア 11月号に私のコラムが掲載されています。 見学ではわからない海外事情の最終回: ホスピス緩和ケア看護師からナースプラクティショナーへ と言う表題です。 題名通り、私の軌跡を書きました。日本から海外へ、そしてナース…

よく出来ました

私はファミリー ナースプラクティショナー なので新生児から老年期まで診ることができる。しかしお給料を払ってくれるのは成人のプログラム。早期介入を目的に高校のクリニックを許してもらい、成人患者の家族という名目でその家族 (もちろん子供を含む) を…

Arrival

11月11日公開の映画を速攻見に行った。とても面白そうだったし、前評判もとても良かったから。そして期待を裏切らない、久しぶりに見た良い映画だと思った。 Arrival 予告を見た時には、エイリアンものか、、とあまり興味を持たなかった。しかしFBでパラマウ…

言語と文化

昨日までのシリーズもののおまけ。 両親ともに移民者で英語は第二言語で、なんとか会話ができるくらいのレベルだ。重大な判断をするために、聞き違いや思い込みは絶対避けたいと思った。 彼女の病態が悪化している根拠となった言動の1つとしてケアマネが、…

産後の鬱 その3

続き 決断はしたものの私の不安は大きかった。もし、もし、彼女が子供たちを殺めたら、、、、確率はゼロではない。それが不安の要素だった。 夫に電話をして説明をした。夫もまた英語が母国語ではない人だ。丁寧かつシンプルな言葉を使って説明する。確認も…

産後の鬱 その2

昨日の続き。 ようやく話してくれた事実。彼女に言ったことは事実だ。子供を引き離すことだけが目的ではない。治療やサポートを行って家族と住むことができるようにするのが最大の目的だ。 彼女の精神科医に電話をした。状況を説明して治療薬を増量したい。…

産後の鬱

産後の鬱は非常に危険だ。子供を全員殺した惨劇のニュースは絶えない。 英語が母国語でない彼女を診察するのは簡単ではない。しかし昔に比べたら随分話せるようになった。彼女も妊娠中と産後の鬱に病んでいた。 強い鬱のため自殺と他殺願望があって、5人目を…

緩和ケアと自殺幇助

先日のナースプラクティショナー(NP)の会議はMAiDについて Medical Assisted in Dying 日本語で言う、医療者による自殺幇助 スピーカーは昔一緒に働いていた緩和ケアケアの医師。懐かしくてお元気そうで何より。 MAiDはホットトピック(誰もが関心を持ってい…

季節の変わり目

先週末はデイ タイム セービングが終わりました。時計を1時間遅らせて冬時間となりました。 そのおかげで日暮れが早くやってきます。どんどん日照時間は短くなっていくので夜明けも遅れ朝も暗く夕方も暗くなってしまいます。 そうです、太陽をあまり見ない季…

ガジェットに埋もれて

学会や会議に必ず持っていく持ってもの。 仕事用のノートパソコン iPad 仕事用の携帯電話 私用の携帯電話 仕事用のノートパソコンは電子カルテへのアクセスがあるし、iPad には仕事で愛用するアプリを入れているし携帯よりスクリーンが見やすい、、、と4つと…

今か将来か

今回の学会のお題は糖尿病。この20年間、新薬が次々と現れた糖尿病界。その辺を整理がてらにが目的だった。 古い薬に比べ新薬は高額。1ヶ月の薬価が2〜5万円ぐらいかかるものだ。私の患者層で払える人は少ない。古い薬から順に使い、効果がないとためと理由…

悩みに応える

こちらでは小中高と言う別れはない。学年はgrade と呼ばれ1-12だ。 Elementary とSecondary に分かれている地域はG1ー7とG8-12の区別になり Middle がある場所では G1-5 とG6-8 でG9-12 となる。高校受験などはない。Gradeが終了すれば次のGradeへ行くことが…

ホテルに泊まりたいのに

今週末は学会で潰れます。学ぶことは好きでも休みがないと憂鬱な気分の私。今更、予定表を見てギョッとする。土曜日は7時から4時半まで。早くない?、 いつもやらかす間違い。 最後の最後になって宿泊先を探そうとする。もちろん学会特別価格は1ヶ月前で終わ…

謎の文 その22

大学のクラスでプレゼンがあった長女。昨夜は遅くまで準備をしていたとか。そして本日の夕食時の会話。 Mom, I took a page from your book. なんのことかさっぱりわからず?????? さて久しぶりの謎の文。どんな意味なんでしょう? ここ1ヶ月、私は神経…

積極的になること

どうやって患者と繋がるか? 私が対象にしている患者層はメンタルヘルス、薬物依存、ホームレスそして貧困層。医療の中でも社会の中でも隅っこの方に追いやられた厄介者と呼ばれる人たち。 それだからか、世の中を避け人を避け、影で暮らしているような人た…

読書のすすめ2

母によく言われます。3人の子供達に同じように読み聞かせをしたのに本好きになったのは姉だけ。私は漫画が大好きで読書は大嫌いな子供でした。 こんな読書嫌いの私ですが、たまにのめり込んで読む時があります。 先日読み終えたのはこの本。長女に薦められて…

住む環境と糖尿病

糖尿病のコントロールがメチャクチャだった彼。重症の精神病があるのに施設で出会った彼女との二人暮らしを始めた。お互いに自立して生活できる能力は低く、生活はひどい様だった。そして施設へと移り住んだ。 しかし、そこには24時間在住のスタッフはいるが…